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いまや中国は世界最大のロボット大国である。
2015年の世界のロボット販売台数24万8000台のうち、中国で販売されたのは6万7000台強。2位の韓国と日本は3万5000強台で、中国がダントツの1位となっている。さらに、中国ローカルのロボットメーカーも少しずつ台数を伸ばしてきている。世界的に強いロボットメーカーが多く存在する日本にとっては、今後の成長が楽しみであり、脅威でもある。

スクリーンショット 2016-07-26 9.30.12出展:IFR(国際ロボット連盟)

そんな成長著しい中国ロボット業界だが、一方で今後に不安もあるようだ。

中国メディアの千家網によると、中国における産業用ロボット販売台数のうち、中国メーカーの占める割合は8%。外国メーカーが9割以上を占める。メーカー別で見ると、ファナックが18%、KUKAが14%、ABBが13%、安川電機が12、残りの34%あまりがそれ以外のメーカー。中国メーカーはごく一部に過ぎない上に、国による政策的支持を受けて大量に競争力の低い企業が発生し、助成金の詐欺も発生しているという。

しかし、それ以上に致命的な弱点も。

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産業用ロボットは多くのメカニカル部品で構成され、特に減速機はその中核的な部品となる。産業用ロボットの原価コストに占める減速機の割合は大きく、千家網では35%あるとしている。中国には高精度な減速機を作れる企業が少なく、75%を輸入に頼っているとのこと。ここを解決しない限り、産業用ロボットの高精度化と低コスト化を実現することはできず、安さとボリュームという中国の強みを発揮しにくいという。いまのところ、このあたりが中国のアキレス腱のようだ。

産業用ロボット向けの減速機では、ナブテスコをはじめ日本企業が得意とする分野。世界でも高いシェアをキープしている。日本のロボット産業の競争力を高く維持するためには、減速機やギヤモータといったメカニカル部品が鍵を握る。とは言え、これまでの中国の急成長、技術的な進化を見ると、近い将来そこをクリアしてくるのは確実。そこをどう捉えて、対応策を練るかはこれからのポイントだ。

参考:中国の産業用ロボット市場は世界最大、だが市場は外資メーカーのもの

参考:IFR(国際ロボット連盟)、248,000 industrial robots revolutionising the global economy

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